家を建てようと考えたとき、まず何をしたらいいのかわからないという方は多いと思います。
家づくりの流れを“知っている”と“知らない”とでは、家づくりにかかる労力や時間・期間に大きな違いが出て来ます。何事も必要な手順を理解して行動することが大切ですが、家づくりについても同じことが言えます。
流れを知っていれば、家づくりをスムーズに進めることができます。また、次に必要なことや手続きがわかっていれば、準備もできますし、心にゆとりもできます。
また、動き出しから入居までの期間を短縮できるので、賃貸に払うお金を少なくできたり、住宅ローン開始が早くなるのでその分早く完済することにもつながります。
まず始めに、流れを知ることで無駄な遠回りを防ぐほうがお得です。
このページでは、家づくりの流れや何から始めればいいのかなどをお伝えしたいと思います。そして家づくりの疑問解消や、スムーズな家づくりのご参考にしていただければと思います。
このページでお伝えする家づくりの流れと期間は、当社が通常ご案内しているものです。お客様の状況や依頼する会社によって、その順番や期間が変わってくることも考えられますので、必ず正解というわけではありません。
ただ、通常必要なやるべきことや手続きについては網羅しており、効率的な手順と思います。実際に家づくりに取り組む際は、このページの内容を参考に、依頼する会社とも相談しながらスムーズな手続きを進めていただければ幸いです。
家づくりは、ほとんどの人にとってはじめて取り組むことです。そして多くの方が当然ですが、家づくりに関する詳しい知識を持ち合わせていません。
言いかえれば、何が本当に重要なのかがわからないまま、家を購入する状況が起きています。家づくりに関する正しいモノサシを、まず持つ必要があります。
家づくりを運任せや、建設会社の言われるがままに進めてしまわないため、確信をもっていい家を手に入れるため、最初に最低限必要な知識や大切なことを勉強し、情報収集する必要があります。
その方法はいろいろありますが、オススメなのは、きちんとした評価を受けている家づくりの本を読むことや、家づくりの基準をつくる国、政府のホームページ等を確認することです。インターネットやブログの情報も役立ちますが、個人的な主観で書かれたものも多く、専門家と称しながら何の根拠もないことが書かれていることもよくあります。
また、いくつかの住宅会社、工務店に直接行って、話を聞いてみるのもいいでしょう。ただ、やはりまずご自身で本を読んだり、国の基準等を確認して、予備知識を付けたうえで行った方が良いと思います。
ここではオススメ本や情報収集サイトをご紹介しておきます。
情報収集等がある程度すすんだら、次にやるべきことは資金計画・予算の決定です。
家の大きさやデザイン、希望などがいろいろと浮かんできて、こんな家に住みたい!さあプランを作ってもらおう!という気持ちになるかもしれません。
でもちょっと待ってください。気持ちはわかりますが、まず資金計画・予算を考えましょう。よくあるのは、単純に毎月の支払いがいくらだ、年収の何倍まで借りれる、今の家賃と比較して~、などです。これらはもちろん考える必要がありますが、大切なのは家の事だけでなく、人生を考えた資金計画です。
「住宅資金」、「教育資金」、「老後資金」の3つは、人生の3大資金と言われています。単に「住宅資金」だけを考えるのではなく、20年後、30年後そしてその先まで考えた資金計画をすることで、本当に無理や心配のないゆとりある生活を手に入れることができます。
資金計画については別のページで詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。
予算が決まれば、次は土地探しです。
なぜ建物の計画、プランより先に土地探しなのかというと、選ぶ土地によって建物のプランや予算が変わってくるからです。
例えば、南側道路の土地と北側道路の土地では全くプランが変わります。また、給水が引き込まれているかどうか、下水が来ているかどうか、浄化槽が必要か、造成や擁壁が必要かなどで予算も大きく変わります。
先にプランをして土地を後で探すと、ほとんどの場合プランを1からやり直すか、大幅な変更を迫られることになります。その結果として予算も変わってきます。
住宅会社、工務店に土地探しを依頼することができる場合がほとんどですので、建物の概算を聞いて、まずは土地探しを進めましょう。土地が決まればいよいよ建築プランです。
土地が決まったら(仮決定でOK)、次は建物のプランです。
最初に行った資金計画の範囲で、プランを行います。
プランはできれば2つか3つの会社にお願いするのが望ましいです。内容や特徴、予算など、比較することができるので、より良い選択ができる可能性が高まります。
複数で比較して、どの会社に依頼するか決めることが大切です。また、仮契約や本契約などの前にまずプランや予算を決めることが必要です。
土地・建物プランが仮決定すると概算の予算が出ます。
この予算で住宅ローンの事前審査(仮審査)を行います。
この時注意するのは、土地・建物の費用の他、外構や登記費用、住宅ローン諸費用、その他必要なお金を全て考えた上で住宅ローン借入額を決めることです。自己資金を出す場合はそれも考慮に入れます。
事前審査が終わったあと、本審査で借入金額を減らすことはできますが、増やすことは基本的にできません。増やす場合はもう一度事前審査からになります。
土地・建物、その他必要な全ての費用がどれくらいになるのか、住宅会社や工務店にきちんと確認しましょう。
事前審査は通常1週間前後で結果がでます。
住宅ローン事前審査が終われば、いよいよ本格的に家づくりが進んでいきます。
事前審査の前のプランの詳細を確認したり、どの会社で建築を依頼するのかを決定します。
しっかり内容を確認してください。
土地、建物プラン、事前審査が完了し、しっかり内容を確認した後は、土地、建物の契約を行います。
契約の後に住宅ローン本審査を行うのですが、もし万が一本審査が通らない場合に備え、土地、建物の契約には”住宅ローン特約”を必ず付けてください。
“住宅ローン特約”とは、「もし住宅ローン本審査に通らなかった場合は、契約を無条件で白紙に戻します」という特約です。この特約を付けることで、本審査に通らなかった場合も手付金や損害賠償金等を取られることなく契約を白紙に戻すことができます。
必ず確認していただきたい項目です。
契約の後は住宅ローンの本審査に入っていきます。
事前審査に通っている場合、本審査はほとんど問題なく通ります。 確かに本審査で落とされる場合もありますが、それは事前審査より申込金額が上がったり、事前審査の時点ではなかった新たな借り入れを行ったりしたなど特殊な場合です。
また、まれに健康状態により団体信用生命保険に加入できないことで、本審査を通過できないことがあります。この場合は、団体信用生命保険の加入義務がないフラット35などを検討する必要があります。
住宅ローンの本審査が正式に承認になったら、まずは土地の売買を完了させる、決済手続きを行います。これは、土地代金を売主に支払い、土地の所有権を移転する手続きです。簡単に言うと、土地を正式に自分のものにする手続きです。多くの場合、代金は住宅ローンのつなぎ融資を利用します。
土地の決済手続きと並行して、建築確認申請や長期優良住宅の認定申請など、家を建てるのに必要な手続きを進めます。耐震等級3の認定申請等も行います。
建築確認申請、長期優良住宅の認定申請等が完了すればいよいよ着工です。
地盤調査・地盤補強(必要な場合)、基礎工事、上棟、と必要な工事が進んでいきます。
また、着工前には地鎮祭を行う場合が多いです。
着工から完成までは、家の大きさや外構などにもよりますが、4か月から5ヶ月かかります。
家が完成すれば、いよいよ引き渡しといきたいところですが、もう少しだけ必要な手続きがあります。
公的な完了検査や瑕疵保険の検査を行い、建物表題登記、所有権保存登記、抵当権設定登記などの登記を行います。
それから金融機関と住宅ローンの実行手続きを行います。
全ての手続きが完了すれば、ついにお引き渡しです。
引き渡しの時には、鍵や様々な設備の説明書、保証書などを受け取ります。
工事中に使用していた鍵は、お客様用の鍵を差し込んだ時から使えなくなる仕様になっていますので、鍵を差し込んだ瞬間から家はあなたの物になります。
鍵や必要なものを受け取り、引っ越しを終えたら、ついに新しい生活のはじまりです!
また、お引き渡し後、住まい給付金の手続きや、翌年の2月~3月に住宅ローン減税を受けるための確定申告を行う必要があります。
その他必要なことも合わせて、家を建てた建設会社、工務店が案内しますので、忘れずに行いましょう。
いかがでしたか?
家づくりの流れをいくつかのステップに分けて説明させていただきました。
必ずこれが一つの正解ということはできませんが、当社が最もスムーズと考える流れ、そしてほとんどの方に必要と思われる事項についてお伝えしました。
様々なケースが考えられますが、土地探しからの場合、家づくりの検討を始めてから引き渡しまで、短くても10ヶ月以上、約1年はかかることが多いです。
土地がすぐ見つかる場合と、そうでない場合でも大きく期間は変わってきます。
お子さんの入園、入学のタイミングに合わせたい場合など、特に余裕を持って家づくりのスケジュールを組む必要があります。
このページの内容が、皆様の家づくりの参考となれば幸いです。